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例えば泳げさうなほど

鴇田智哉の句集「こゑふたつ」をある方より頂く。
ありがたい。鴇田智哉といえば俳句研究でよく読んだ。
好きな俳人の一人。
句集はどこまでも鴇田智哉という感じで、
把握というものについて、少し考えが及んだ。少しだけどね。
俳句を作りたくなった。



例へば泳げさうなほど   西川火尖


短夜の丸く広がる文房具

ほうたるも文字を書けないではないか

トマト喰ひ終はれば顔の持ち上がる

夏負けと共に拡大鏡はあり

また蜘蛛の飛びつく夜やすりガラス

梔の同性愛の兆しかな

音楽の夏野へ錆びし傘ひらく

夏葱の至るところに貧富かな

地に置けば最も遠し蛍籠

どくだみに任せたくなる児童かな


天下の暴論にそれは天下の暴論だと言ってみる

孫引きで申し訳ないが気になったので。読んでみたいな。

どの媒体がベストなどということはない。天下の暴論と言われることを覚悟のうえで言うならば、書けない人間にはどんな媒体であろうと書いてほしくない。(櫂未知子「報道ではなく」前述書)
鯨と海星

本筋からはそれると思いますが、書けない人間と見られる自覚がある尖からすればやはり無視できないです。


「覚悟の上で言えば」
「誤解を恐れずに言えば」
とかそういう用法で始まる言葉は結構ずるい。
それに反論する者が一段劣って見えるのだ。野暮というものなのだ。
ただ、だからダメというわけでなく、
むしろダメなのはそこで怯んでしまう受け手の側だ。
野暮でいいじゃないか、そんな言葉に怯まず、
「それは天下の暴論だ」という勇気が必要だと思う。

櫂未知子がどんだけ偉いのか知っているが、
俺がどんだけ書きたくてしょうがないかを櫂未知子は知らない。

暴論だよ。

暴論であることを証明したい。
書けるようになっちゃ駄目だ。
書けない人間のまま成熟するしかない。


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元禄効果

元禄効果  西川火尖


夏みかん宮沢りえに子供ゐる

夏灯し納豆食へず子は作らず

流れゆく刑死の報せ濃紫陽花

トマト掴む洗面台に落つる汁

僻んでも歪めず胡瓜育ちけり

梅雨の月食へば無くなるチョコレート

目や口の化粧を直す熱帯夜





出鱈目に踏めば草いきれは悲し





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貧のある暮らし

俳句世間の貧困代表西川火尖です。こんばんは。

中野の喫茶店で句会、
紅茶(510円)よりもトースト(290円)の方が安いことに気づくのに半年以上かかりました。
やりきれないなぁ。

食費は平常時一日600円以内に抑えるようにしているので、それなりに我慢が必要です。何しろ泊まり勤務なので三食で600円です。
普通の仕事をしていて一日1000円以上かかる人々には、尖は残飯をあさるネズミかゴキブリのような暮らしをしていると思われるかもしれませんね。
ただ、工夫次第ではあなたの飼っている犬程度の暮らし位ならできることは主張しておきます。

食パンは一斤8枚切りを88円で買います。たまに半額の44円で買います。
それをすべて半分に切り、三つずつラップに包み冷凍します。
食べるときは、176円のスライスチーズ、10個96円の卵、玉葱などを挟んでトーストし、ホットサンドにします。
主に朝ごはんになります。

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休日は三日後くらいまで展開可能な料理を作り溜めします。パスタ料理などは特に尖の好むところです。
見切り品のセロリ、何故か安い玉葱、88円のトマト缶、100グラム26円のスパゲッティ、特売品のコンソメ、100グラム78円のひき肉、シメジ、ローリエを使いスパゲッティミートソースを作ります。
ミートソースは冷凍しておけば、あとでリゾットやピザトーストなどに使えます。それらは次の日からの弁当になります。

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毎日外で安い外食をするよりは、美味しいですし、三日後くらいまでを考えて作れば時間もそんなにかかりません。なにより、貧困に楽しさが加わります。

節約系の自炊を続けるコツですが、みりん風調味料よりは本みりん、マーガリンよりはバター、出汁も顆粒のものよりは煮干や鰹節など、できるだけ代替品は使わないようにします。また、バジル、ローリエなどの香草、スパイスはそれなりに揃えておくこと。塩、砂糖もいいものを使いたいですね。

食材は安いものでかまいません、目的は節約ですからね。廃棄品なんて最高です。調味料に凝って見えないところで自尊心の回復を図りましょう。
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じゃがいも・トマト・ソーセージのスープ、ニンジンのグラッセ、チーズオムレツ、トースト。

さぁ、レッツ貧困!

レッツと打ったときに「劣津」とでる尖のパソコンは持ち主のことをよく考えていると思う。
毎日が劣等感の津波なんだよまったく。



過糖

甘い湿り    西川火尖


草いきれ傷口吸うてゐたりけり

蟻を焼く祖父に習ひし通り焼く

方舟に窓あり窓に水中花

手花火を黄泉裏口へ向けてをり

山梔子や男ばかりを喋らせて

油虫殺虫剤に照り返す

錆びし傘ひらき夏野を後にせり

あぢさゐに色は被るごとくなり

紫陽花の綻び親の手が入る

揚花火枚もて数へたるは黄泉

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貯蓄症

君たちが一年で稼ぐ金を十年かけて貯めます。
そんな金を使えるわけ、ないじゃないですか。

こうなったら少しでも金の流れをせき止めて、みんなを苦しめてやるんです。
がんばるぞー

誘蛾灯前置きをして職明かす  火尖

香水の男手足をぶら下げ笑ふ

路頭

夕立待つ   西川火尖

ままごとの桃色の鍋晴子の忌

蝸牛褒めらるること疾うに飽き

千枚の植田の周波そろひけり

強欲の似合ふ顔良し冷し飴

草いきれガチャリと止まるレコーダー

夏の河豊かなものは口開けて

噴水の老女不思議な服を着し

脳死者に夕立の来ぬ窓辺かな

夕立や無傷といふは寂しけれ

直列にして夕立の西新宿

フリコミリアリティー

回数券とパスモと現金を落とした。営業時代に使っていた名刺入れごと落とした。
それなのに朝バスに乗った。バス代までは支給されないけど乗った。
バスの窓には、振込め詐欺への注意を促す警察の広告がでている。

「会社の金を使い込んだ」
「電話番号が変わった」
「事故を起こした」

全て嘘です!!
とあるが、全て嘘ってことはないだろう。ウチの馬鹿息子がやらかしたって人もいるだろう。
まぁいいや。
そこには慌てふためくお母さんが描かれていて、非常に愚かに見える。自分とは違うと思う。
だからこんな広告みても自分は大丈夫、騙されないと思うだけで、全然リアルに感じられないんだ。
見てる俺らが騙されるような広告なら良いと思う。
息子を救う母の感動的な広告を。
「いつだって何があったってお母さんはあなたの味方」的なさ。

そして隣にお母さんのお陰で潤う詐欺グループの広告も出せば、俺だって気をつけようと思うよ。

何度も貼って剥がしてくっつかなくなったシールですら俺よりマシだろうよ、どうせ。

俳句を作ろうとして、いろんな言葉を探すんだけど、違う。その言葉じゃないのに作ってしまう。
自分の俳句はすいません、この程度なんです。

いつかいいのできるさ。

いつか休日

二人でサッカーを観るときの、彼女さんの無関心っぷりといったらもう。
試合開始のホイッスルと同時に飽きたようで、ネットをやり始めました。
最初から興味ないって言ってましたしそれは別にいいです。
それに話しかければ答えてくれますしね。
ただ、話す会話のほとんどを相槌でこなす彼女さんの
俺への無関心っぷりが心底気になります。



蛍といふホテルありどうしよう  火尖

六月のパンツ黄色くなりにけり

それはそうと昨日今日は二人の休みが噛み合う数少ない機会でして、
また、こんな休日を過ごしたいものです。