頬に虫ぶつかつて死ぬ暑さかな 火尖
蛍の夜耳深くまでなぞらるる
蝉鳴いて上下に迷ひ生じけり
蛍の夜耳深くまでなぞらるる
蝉鳴いて上下に迷ひ生じけり
春の宵大きな布の斜面かな
春星を配し手作り洋食屋
布余ることと子猫の無関係
春星を配し手作り洋食屋
布余ることと子猫の無関係
花の雨弁当のカツ固かりし
夜桜の明かりは揮発油の如し
婚約をして来し後の花水木
雪柳二度確かめてゐる手紙
初蝶来折り込みチラシ濡れてゐし
夜桜の明かりは揮発油の如し
婚約をして来し後の花水木
雪柳二度確かめてゐる手紙
初蝶来折り込みチラシ濡れてゐし
じらじらと卒業展の黒インク
輪郭をひらかせてゐし春の山
日光に重さありけり花粉症
プロセスチーズみたいに笑ひ春昼は
輪郭をひらかせてゐし春の山
日光に重さありけり花粉症
プロセスチーズみたいに笑ひ春昼は
昨日一昨日忌引きにて、
出棺や握らせてやる春の土
斎場の天窓を春光らしむ
ふらここに喪服の母を誘ひけり
出棺や握らせてやる春の土
斎場の天窓を春光らしむ
ふらここに喪服の母を誘ひけり
2006/04/19
春泥は今夜動くかも知れぬ
夜といふ地球の影のあたたかし
春雨や梅田に赤き観覧車
学食の桜餅なり食ひ足りぬ
霾や旅客のカメラ二度光る
2006/04/21
麗らかや眼鏡屋を出てすぐ左
母とゆく一輪草を見るために
天心の真下は桜の木なりけり
夜桜や人に血の管酒の管
春霖やバスの座席の深みどり
ものがたり蝶ひとつづつ落ちてきて
なのはなや泣くと笑ふは同じこと
春昼に赤い傘の音をきいた
ものがたり金魚いくつも落としては
梨咲いて君を抱きしめたいだけさ
鷹ならば我が振れ幅に即答す
2006/04/27
春の夜の母に陶器を埋めてをり
直したき癖とは猫背春の月
亀鳴くとにんげんたちは裏返る
耐へきれず遅日のパンダ裏返る
連絡がなくて躑躅をふと見たり
連絡がなくて躑躅を見てをりぬ
電柱の街の後ろを夕焼かな
2006/04/28
蝶といふその遥かなる立眩み
夏近し一枝川面への重み
ブランコよこんな揺れては寂しいぞ
2006/05/08
爆弾の名に雛菊をつけし誰
陽炎や君を待てども暮らせども
手品師の笑み零れ来る五月かな
2006/05/08
春暑し採用試験受けにけり
雨降りの門ありにけり花水木
雨降りに門の色あり花水木
花疲れ影をどれほど伸ばしたか
玄関に春の夕のペンチかな
初夏の歌えば風の吹く日かな
不人気の教授が言へり子猫ゐる
棕櫚の花我が表現欲の如くあり
チューリップ見るたび君を忘れたし
頷くと恋終わるなり春の風
チューリップ別れるときは優しくす
はつなつのどこに立つても歩いても
しばらくは動かぬ猫と牡丹かな
春愁や鉛筆の線伸ばしをり
2006/05/10
初蝶の歪めば君を愛するべきか
春の夜のスーホの白い馬の中
たやすくはいかぬ事あり躑躅咲く
海へ来てああ春月へ手が伸びる
2006/05/13
暗がりは蝶の羽音を絶望す
溺死する恋のまわりの海月かな
2006/05/21
暮れかかる雨の白さや花水木
棕櫚の花子供見つめてばかりゐる
着信やむきばらばらにあめんぼう
姿見の暗部に夏と名付けけり
乱暴な軋みの如く蝶上る
夏蝶や靴紐すぐにほどけたり
蜂に刺されて目に青空の残りたる
2006/05/23
蟻追えど終に列にはならざりき
街の夜コーラの缶に似たりけり
夏草やYと証言食ひ違ふ
朝方の蚊の勢ひの黒さかな
黒南風や明滅明の信号機
夏来るや街に隙間の増えゆける
2006/06/02
蝸牛生れるここも宇宙かな
夏の星焦点結ぶもの探す
夏の川めくれる如く平らなり
さあさあと平たく夏の川続く
たこ焼きのその幸せや夏の夕
振り向けば道真直ぐなり夏の夕
2006/06/03
梅雨寒に沿う色を持ち電波塔
蜂蜜の蓋を開けたる梅雨の夜
2006/06/04
履歴書に顔貼り付けて梅雨かな
夏の空しかも真っ白な靴である
凶年の鉢植え囲む油虫
蝸牛増えよ宇宙の薄明かり
麦秋の風一抱へほど腹に来る
夏空の圧倒的な消去法
初夏のみな上を向くものの影
熱帯夜遠くに音の加速する
炎天や不意に後ろの兵の列
紫陽花や君の言葉に肯きぬ
紫陽花や元は銃後の町ならむ
2006/06/08
あぢさゐやいと静脈の脱ぎ難し
万緑の中や大脳新皮質
見回せば地図の印にゐて夕立
八月の雨美意識を信じます
2006/06/09
就職の決まらずに見る入梅かな
開けるまで分からぬ梅雨とメールかな
丁寧に残念ながら不採用
もう嫌だ御社履歴書スーツ梅雨
2006/06/11
静脈や開けば点る冷蔵庫
あぢさゐや人みな雲の下くぐる
恐竜はコーラのおまけ五月雨るる
夏の川夜は流るゝさき知らず
吾が触れし壁ざらつけば夜の雷
政治的個人的実梅落ちにけり
この雨を夕立と思ひ眺めけり
夕焼の下の街より来たりけり
イヤホンの絡まりてをる入梅かな
夏の夜や君の瞳の色を見る
ダンボール金魚すくいと書かれけり
草城になりて夕焼に触れたしや
夕焼や濡れて平たきダンボール
牡丹に触るるばかりに指開く
牡丹に指触れたくもやめにけり
炎昼の重たき午後を回りけり
棕櫚咲きて空を吐き出す如くなり
2006/06/14
白南風や独裁志望欄埋める
夕虹やつま先立ちは地を離れ
万緑へ開く大脳新皮質
自転車の虹引く背中丸めけり
蚊の落つる如くに上がる花火かな
2006/06/15
爪立てて女の汗に乗せにけり
五月雨や紙幣吸ひ込む券売機
梅雨闇に沿ふビル街の隙間にて
梅雨曇愛国心がぞぞと動く
指差しを抜けて背後の蛍かな
2006/06/19
宵宮の君には会はず砂の粒
妹の日傘の影が手に触れぬ
プリクラの暑苦しくも分割す
雷の夜の京都盆地に眠るかな
2006/06/25
夏雲やちぎつて使ふガムテープ
梅雨冷に蛍光灯の長さかな
蚊遣火の煙空気に押されけり
直立は抵抗夏の日が軋む
逢ひたきときは夕焼の砂の粒
炎天や棒高跳の伸び上がる
2006/06/27
爆弾の名に雛菊とつけしは誰
五月雨やくずかごにくず無かりけり
夕立や手に残したる砂の粒
逢ひたきときは夕焼の砂の粒
あぢさゐに星の最期を思ひけり
黙阿弥の悪人の吐く蛍かな
夏雲やちぎつて使ふガムテープ
首振りの扇風機置く真夜の端
2006/06/29
裏口の穴ぐらに似て油照り
体内を思へあぢさゐ暮にけり
星涼し頭ぐるんと回しけり
月涼し地球の風は回りけり
風鈴や柱の傷に謂れあり
炎昼は古紙回収車ありにけり
踏み台の上に本置く夏至の夜
書庫といふ草いきれにも似たるもの
夏至の夜や点る一掻きほどの恋
春泥は今夜動くかも知れぬ
夜といふ地球の影のあたたかし
春雨や梅田に赤き観覧車
学食の桜餅なり食ひ足りぬ
霾や旅客のカメラ二度光る
2006/04/21
麗らかや眼鏡屋を出てすぐ左
母とゆく一輪草を見るために
天心の真下は桜の木なりけり
夜桜や人に血の管酒の管
春霖やバスの座席の深みどり
ものがたり蝶ひとつづつ落ちてきて
なのはなや泣くと笑ふは同じこと
春昼に赤い傘の音をきいた
ものがたり金魚いくつも落としては
梨咲いて君を抱きしめたいだけさ
鷹ならば我が振れ幅に即答す
2006/04/27
春の夜の母に陶器を埋めてをり
直したき癖とは猫背春の月
亀鳴くとにんげんたちは裏返る
耐へきれず遅日のパンダ裏返る
連絡がなくて躑躅をふと見たり
連絡がなくて躑躅を見てをりぬ
電柱の街の後ろを夕焼かな
2006/04/28
蝶といふその遥かなる立眩み
夏近し一枝川面への重み
ブランコよこんな揺れては寂しいぞ
2006/05/08
爆弾の名に雛菊をつけし誰
陽炎や君を待てども暮らせども
手品師の笑み零れ来る五月かな
2006/05/08
春暑し採用試験受けにけり
雨降りの門ありにけり花水木
雨降りに門の色あり花水木
花疲れ影をどれほど伸ばしたか
玄関に春の夕のペンチかな
初夏の歌えば風の吹く日かな
不人気の教授が言へり子猫ゐる
棕櫚の花我が表現欲の如くあり
チューリップ見るたび君を忘れたし
頷くと恋終わるなり春の風
チューリップ別れるときは優しくす
はつなつのどこに立つても歩いても
しばらくは動かぬ猫と牡丹かな
春愁や鉛筆の線伸ばしをり
2006/05/10
初蝶の歪めば君を愛するべきか
春の夜のスーホの白い馬の中
たやすくはいかぬ事あり躑躅咲く
海へ来てああ春月へ手が伸びる
2006/05/13
暗がりは蝶の羽音を絶望す
溺死する恋のまわりの海月かな
2006/05/21
暮れかかる雨の白さや花水木
棕櫚の花子供見つめてばかりゐる
着信やむきばらばらにあめんぼう
姿見の暗部に夏と名付けけり
乱暴な軋みの如く蝶上る
夏蝶や靴紐すぐにほどけたり
蜂に刺されて目に青空の残りたる
2006/05/23
蟻追えど終に列にはならざりき
街の夜コーラの缶に似たりけり
夏草やYと証言食ひ違ふ
朝方の蚊の勢ひの黒さかな
黒南風や明滅明の信号機
夏来るや街に隙間の増えゆける
2006/06/02
蝸牛生れるここも宇宙かな
夏の星焦点結ぶもの探す
夏の川めくれる如く平らなり
さあさあと平たく夏の川続く
たこ焼きのその幸せや夏の夕
振り向けば道真直ぐなり夏の夕
2006/06/03
梅雨寒に沿う色を持ち電波塔
蜂蜜の蓋を開けたる梅雨の夜
2006/06/04
履歴書に顔貼り付けて梅雨かな
夏の空しかも真っ白な靴である
凶年の鉢植え囲む油虫
蝸牛増えよ宇宙の薄明かり
麦秋の風一抱へほど腹に来る
夏空の圧倒的な消去法
初夏のみな上を向くものの影
熱帯夜遠くに音の加速する
炎天や不意に後ろの兵の列
紫陽花や君の言葉に肯きぬ
紫陽花や元は銃後の町ならむ
2006/06/08
あぢさゐやいと静脈の脱ぎ難し
万緑の中や大脳新皮質
見回せば地図の印にゐて夕立
八月の雨美意識を信じます
2006/06/09
就職の決まらずに見る入梅かな
開けるまで分からぬ梅雨とメールかな
丁寧に残念ながら不採用
もう嫌だ御社履歴書スーツ梅雨
2006/06/11
静脈や開けば点る冷蔵庫
あぢさゐや人みな雲の下くぐる
恐竜はコーラのおまけ五月雨るる
夏の川夜は流るゝさき知らず
吾が触れし壁ざらつけば夜の雷
政治的個人的実梅落ちにけり
この雨を夕立と思ひ眺めけり
夕焼の下の街より来たりけり
イヤホンの絡まりてをる入梅かな
夏の夜や君の瞳の色を見る
ダンボール金魚すくいと書かれけり
草城になりて夕焼に触れたしや
夕焼や濡れて平たきダンボール
牡丹に触るるばかりに指開く
牡丹に指触れたくもやめにけり
炎昼の重たき午後を回りけり
棕櫚咲きて空を吐き出す如くなり
2006/06/14
白南風や独裁志望欄埋める
夕虹やつま先立ちは地を離れ
万緑へ開く大脳新皮質
自転車の虹引く背中丸めけり
蚊の落つる如くに上がる花火かな
2006/06/15
爪立てて女の汗に乗せにけり
五月雨や紙幣吸ひ込む券売機
梅雨闇に沿ふビル街の隙間にて
梅雨曇愛国心がぞぞと動く
指差しを抜けて背後の蛍かな
2006/06/19
宵宮の君には会はず砂の粒
妹の日傘の影が手に触れぬ
プリクラの暑苦しくも分割す
雷の夜の京都盆地に眠るかな
2006/06/25
夏雲やちぎつて使ふガムテープ
梅雨冷に蛍光灯の長さかな
蚊遣火の煙空気に押されけり
直立は抵抗夏の日が軋む
逢ひたきときは夕焼の砂の粒
炎天や棒高跳の伸び上がる
2006/06/27
爆弾の名に雛菊とつけしは誰
五月雨やくずかごにくず無かりけり
夕立や手に残したる砂の粒
逢ひたきときは夕焼の砂の粒
あぢさゐに星の最期を思ひけり
黙阿弥の悪人の吐く蛍かな
夏雲やちぎつて使ふガムテープ
首振りの扇風機置く真夜の端
2006/06/29
裏口の穴ぐらに似て油照り
体内を思へあぢさゐ暮にけり
星涼し頭ぐるんと回しけり
月涼し地球の風は回りけり
風鈴や柱の傷に謂れあり
炎昼は古紙回収車ありにけり
踏み台の上に本置く夏至の夜
書庫といふ草いきれにも似たるもの
夏至の夜や点る一掻きほどの恋
はたはたと職辞す用意春の雪
春疾風久しく叱られてゐずや
断られ弾かれ霰かも吾は
春疾風久しく叱られてゐずや
断られ弾かれ霰かも吾は





