体内照明

裏口の穴ぐらに似て油照り

体内を思へあぢさゐ暮にけり

星涼し頭ぐるんと回しけり

月涼し地球の風は回りけり

風鈴や柱の傷に謂れあり

炎昼は古紙回収車ありにけり

踏み台の上に本置く夏至の夜

書庫といふ草いきれにも似たるもの

夏至の夜や点る一掻きほどの恋

五月雨貴族

五月雨やくずかごにくず無かりけり
夕立や手に残したる砂の粒
逢ひたきときは夕焼の砂の粒
あぢさゐに星の最期を思ひけり
黙阿弥の悪人の吐く蛍かな
夏雲やちぎつて使ふガムテープ
首振りの扇風機置く真夜の端

炎環七月号、二ヶ月連続巻頭なんてことにはもちろんならなかったけど、第五席。上位定着へ上々の滑り出し。それにしても、「爆弾の名に雛菊をつけし誰
」の句を「爆弾の名に雛菊とつけしは誰」への添削にはまいった。
貫通力と不気味さ、憎悪、俺が作ったんじゃないみたい。

爆弾の名に雛菊とつけしは誰

尖の代表作の一つにします

補足
雛菊の名の爆弾とは
デイジーカッター (Daisy cutter) は軍事スラングで、地表の人員や構造物を薙払うように吹き飛ばす爆弾、あるいはそのような目的で作られた延長信管を指す。米空軍が開発した総重量約6,800 kgの巨大爆弾。(ウィキペディア参章)

俳句は爆弾に対抗できるような代物じゃないし、もちろんそもそも用途がぜんぜん違う。でも、兵器にそんな可愛い名前を付けて人を殺す連中を俺は嫌いだ。

影肥大症

また落ちた。
どうやらもうどうにもならんというか、そろそろもうなにもしたくなくなってきた。結局あれだ、俺は社会に向かんのかもしれん。
どこが違う?スーツ着てネクタイ締めて、志望動機、自己PRそつなくこなしたはず、どこが違うと思う?

就活のため授業をあまりとらなかった、家にいる時間が増える、頭がぼやけてきているように思う、夜あまり寝れない、朝上手く起きれない、昼そして動けない。

とにかく生活のリズムを立て直そうと考えている。まともな思考はまともな生活から。今日は十一時に寝ます。

それにしても、何にでもなれる可能性ほど有害なものはない。知っていたけど再確認。
あかんわ。毒されて動けへん。
なんていうの?自分特別症候群?現実との落差の自覚症状がひどすぎて凄いアレルギー。だいたいそれをネタに日記書くのが気持悪い。いかにも苦しんでますみたいな。あほか。

夏雲やちぎつて使ふガムテープ
梅雨冷に蛍光灯の長さかな
蚊遣火の煙空気に押されけり
直立は抵抗夏の日が軋む
逢ひたきときは夕焼の砂の粒
炎天や棒高跳の伸び上がる


テーマ : 日記 - ジャンル : 日記

雑記

直立は抵抗
宵宮の君には会はず砂の粒 
妹の日傘の影が手に触れぬ
プリクラの暑苦しくも分割す
雷の夜の京都盆地に眠るかな

言葉のためなら軽薄も辞さないつもりです

いろいろな批評にさらされ作家は育っていくんでしょう。

理屈的 面白半分に軽薄に言葉を使う
 
月並み俳句に下される評価みたいだ。

一面正しい。とは思う。そうだ、それは火尖のことだ。

言葉を繋げる行為は広くいえば理屈の分野に入るし
面白いと思う言葉を選ぶ。
そして、軽軽しく使う。

劇的な体験をした人にしか、生命の重みを感じた人にしか、劇的な言葉、生命を感じる言葉が許されないのだとしたら、詩人のほとんどは戦場体験と闘病生活を経て生き残こるしかあるまい。
実体験を軽視するわけではないが、実体験が条件ということはあるまい。
俺は俺の守備範囲を超える言葉ですら、俳句的美があると思えば、どんな非難を受けようと使う。

夏空の圧倒的な消去法

万緑へ開く大脳新皮質
も、
言葉のためなら敢えて軽薄になることも厭わないで作った句だと思う。
句の主人公と作者との絶対的な乖離。
俳句は私性を離れても存在できると信じている。


爪立てて女の汗に乗せにけり

五月雨や紙幣吸ひ込む券売機

梅雨闇に沿ふビル街の隙間にて

梅雨曇愛国心がぞぞと動く

指差しを抜けて背後の蛍かな


独裁志望欄


白南風や独裁志望欄埋める

夕虹やつま先立ちは地を離れ

万緑へ開く大脳新皮質

自転車の虹引く背中丸めけり

蚊の落つる如くに上がる花火かな

昨日
そのくせ結構理屈っぽいという批評をいただいたわけで、非常に悔しい。その批評が的を射ているかどうかなんて関係なく、悔しいものは悔しい。が、良い勉強でもある。そして理屈の良さもある。
無批判に褒められるよりはずっといい。もちろん反発するけど。

 海に出て木枯帰るところなし

なんかは言ってしまえば理屈である。

もし理屈や意識の働きを無視したら、言葉のつながりを制御できない。だから偶然と本能に佳句を期待するようになるんだけど、本能は無意識の理屈だな。
句の根底で言葉を繋ぐ理屈を如何に見えなくするか、もしくは臭みをとるか、そのあたりに今後のヒントがあるのかもしれない。そして俺はそれを理屈のない俳句と呼ぶんだと思う。本能偶然系は偶然できたとき意外は作品とは呼べんよ。

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俳句の触れ幅

意味のなさ、意味のわからなさが俳句の魅力の一つじゃねぇの。「分かりません」という評価(評価か?むしろ受け入れ拒否か)はできるだけ避けたい。

も もとよりこらさ ささ坂の真上の監獄踊り   この句だれだったかな? 

静脈や開けば点る冷蔵庫

あぢさゐや人みな雲の下くぐる

恐竜はコーラのおまけ五月雨るる

夏の川夜は流るゝさき知らず

吾が触れし壁ざらつけば夜の雷

政治的個人的実梅落ちにけり

この雨を夕立と思ひ眺めけり

夕焼の下の街より来たりけり

イヤホンの絡まりてをる入梅かな

夏の夜や君の瞳の色を見る

ダンボール金魚すくいと書かれけり

草城になりて夕焼に触れたしや

夕焼や濡れて平たきダンボール

牡丹に触るるばかりに指開く

牡丹に指触れたくもやめにけり

炎昼の重たき午後を回りけり

棕櫚咲きて空を吐き出す如くなり


いいやつだけ厳選して並べれば見栄えはするけど、やっぱり生れた句はできるだけ出してやりたい。
あとで推敲。

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落下

また落ちた。某通販大手。

ほかのみんなは内定きめていくのに。

どうしようもない。どこが悪いのか分からない。どこをどうしたらいいのかもわからない。
なんで決まらへんねん!!!どうせえゆうねん!!
ひどく具体的に差し迫ってくる危機にたいして、抽象的な対策すら思い浮かばん!


就職の決まらずに見る入梅かな

開けるまで分からぬ梅雨とメールかな

丁寧に残念ながら不採用

もう嫌だ御社履歴書スーツ梅雨

追加
メールボックスみたら今度は日本出版販売から来てた。
書類選考の結果だと。見たくもねぇよ。

あっ受かってる。
ほんとあけるまで分からんね。
どうせこれも面接で落とされるんだろうけど、また徒労に終わるんだけど、

がんばってみようとおもう。


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炎環200608

炎環八月号掲載予定


苦吟難吟の夜。句はできても納得いかない、鼻が利かない。だって伸びるだけ伸びて腐りきっちゃった。そして炎環ネット句会、結局一句も採られず、へし折れちゃった。
ちょうどいいよ、長すぎて自由に動けなかったから。

鼻を伸ばさず実力伸ばせ。これにて鼻ネタはおしまい。雑誌掲載とかもうどうでもいい。一句一句いい俳句を目指す。

麦秋の風一抱えほど腹に来る

あぢさゐやいと静脈の脱ぎ難し

夏空の圧倒的な消去法

万緑の中や大脳新皮質

見回せば地図の印にゐて夕立


今度、不調の原因にもなった俳句の基準について書こうと思う。

八月の雨美意識を信じます   火尖

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履歴書自動執筆装置が欲しい

いつも来てくれる、マッスル軍曹さんの日記が面白い。
無理なく長文を読ませる技量、ユーモア。。

尖は十七字以上の文章は苦手だからなぁ・・・

低めのテンションで淡々としちゃう。

例えば


今日は二次面接だった。
おしまい。

みたいな。

あんまりじゃないですか。
しかし、

この大胆な省略に俳人としての力量を感じて欲しいのか?俺は?

でも夏休みの日記は毎日こんなんだったな。

うん、途中でめんどくさくなちゃうからだな。

テーマ : 日記 - ジャンル : 日記

全力嘔吐

ひたすらいい俳句をつくりたいんだけど、俳句的な言葉しか思いつかなくなったり、こんなのは無理があるんじゃないかと思ってしまったり、とにかく柔軟さが足りない。

昔の句は

夏の空しかも真っ白な靴である

凶年の鉢植え囲む油虫

など奔放
俺はもっと自由に俳句を作るべきだ。そしてできるなら他人の基準を変えてしまうくらいの力の俳句。

そのために必要なのは俳壇的な作品の模倣じゃなく、圧倒的な美意識。

蝸牛増えよ宇宙の薄明かり

麦秋の風一抱へほど腹に来る

夏空の圧倒的な消去法

初夏のみな上を向くものの影

熱帯夜遠くに音の加速する

炎天や不意に後ろの兵の列

紫陽花や君の言葉に肯きぬ

紫陽花や元は銃後の町ならむ

上を向くものに影


もうしばらくかかりそう

テーマ : 俳句 - ジャンル : 小説・文学

緑席

就活のあった名古屋から帰る時
新幹線で京都まで一駅だから
疲れていた尖は、それに名古屋の友達と飲んでて酔っていたのもあって
グリーン車に乗って帰ろうと思ったんです。

グリーン車 別に早く着くわけでもないのに料金が高い
グリーン車 椅子が四列なんて普通だろ料金が高い
グリーン車 落ち着いた品のある照明カーテン料金が高い
グリーン車 一般人お断り

自動ドアをいくつも抜けるとグリーン車であった。
そわそわしているのを悟られないように、前後左右に人のいない席をそれとなく探し、さも当然と言う風に座る。設定は金持ち息子。演じきる舞台派。

靴を脱ぎフットレストを開きリクライニングを倒し、これで俺もグリーンマンってわけですよ。俳句研究をめくり、ミネラルウォーターを飲む。どこからどうみてもリッチでセレブな四回生。。

乗務員が来たときは寝たふりでやり過ごす。狸寝入りも完璧。世を忍ぶ仮の姿。
おや、おしぼりだ。さすがサービスが自由席と違う。それにしても、寝たふりなんて全然落ち着かない。というよりグリーン席落ち着かない。

おっとまた乗務員が来た。寝たふり寝たふり。
ん・・・俺の席の横でとまった。




結局、ピンポイントで俺だけ乗車券チェック、丁寧に追い出されました。
あまりにもみじめに舞台から退場。

自由席乗車券の自由は、フリーダムじゃない、思い知らされた二十一の夏

本当の自由はいったいどこに



それにしても自由席のなんと落ち着くことよ。

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アジカンの後藤さんが

言っていたけど、最近の音楽は繋がる繋がらないを主題にしたものが多い」

確かに。というより音楽だけでなく、繋がる繋がらないことが最重要課題の社会へとなってきているように思う。

同時に若しくは故に、J-POPが非常につまらない。どの曲もみんな一斉に同じことを喋りだした感じで、この曲を買って聴こうという気になれない。
歌詞も非常に陳腐だ。繋がる繋がらないは本来なら非常に重要なテーマであるはずなのに、奴等の言葉は多すぎて足りない。
しかしそんな中で
アジカンのバタフライと暗号のワルツ、ワールドアパート、ブラックアウトなんかはかなり好み。

歌詞の象徴性がいい。韻文的というか。
言葉を意味でなく つながりや広がりで捉えている点が俳句に近いものを感じる。
それにしても何でも俳句と絡めるなんて重度の中毒。 

今日は名古屋まで就活

捕まえた言葉は
梅雨闇 電波塔 梅雨かな 先頭 

俳句において何が上手いのか分からなくなってきている。このままでは作れない。

梅雨寒に沿う色を持ち電波塔

蜂蜜の蓋を開けたる梅雨の夜

履歴書に顔貼り付けて梅雨かな

攝津幸彦、藤田湘子、富澤赤黄男、などなどを背景にしてきた価値基準が揺らいでいる。石寒太、佐藤鬼房、飯島晴子の好きな俳人入りによって、どの句がいいのか分からなくなってきている。なにしろ俳句と言うのは、どうしようもなくあやふやなもので、評価の実体なんてよくわからんもんよ。

そして、俳句の世界を知るに従いブレーキを使うことが多くなってきた。この表現は無理があるからしないなど。コレじゃ駄目だ。無理できないやつに新しいもんはつくれん。でも迎合したい。顔貼り付けてを証明写真のことだと分かってくれなかったらどうしようだとか思ってしまう。

でも思った、顔を貼り付けたほうが面白い。もうぐちゃぐや

でもこのどろどろ状態がいつか推進力。

テーマ : つぶやき - ジャンル : 小説・文学

桂川吟行

たこ焼きを食べたあと、俳句朝日用の三句を寒太主宰への手紙とともに入れポストへ。主宰への手紙なんて媚びてるみたいですごく嫌だが、推薦してくれたお礼の手紙ってやっぱ書かないとだめだろ。

なにしろお礼状(のようなもの)なんて今までの人生で一回もない。だから当然のお礼と媚びの区別もつかない。なにしろ心証をよくしたいという思いも少しはあるのだ。だって誰かに選ばれること無しになりたつ評価というのはありえないじゃないですか。そして結社の人間関係って作品を通してだけってのじゃないと思う。
良くも悪くも、大抵は悪くも、作品だけのつながりではない。よくわからんけど。でも、だかからこその結社なわけで、我々は俳句を誰かにわかってもらうために作ってるんじゃないんだから、分かり合う部分のフォローについては俳句以外の部分、結社の本領だと思う。

さて、俳句朝日の三句、一句だけ新作なのだが、最近新作が不作で量質ともに最悪。これではいかんと思い、桂川(観光地嵐山の近く)まで原付すっ飛ばして行ってきた。それにしても駄目やね京都は。どこも観光地ナイズされていて俳句向きではない。目を閉じてた方がインスピレーションです。

それでも、夏の川をめくる男のイメージ 全部の枝を欺いている感じ 結構収穫はあった。

帰りによった漫画喫茶で以前より探していたプラネテスを読む。
吟行よりも言葉が生れた。

焦点を結ぶ 宇宙 蝸牛 銀河 

俺の場合、句集や俳誌を読んで生れる句が非常に多い。特に外を見てきた後に読む俳書は自分のイメージの手助けになる。

とにかく今あるイメージで句を。要推敲。ここからどう化けるか。

蝸牛生れるここも宇宙かな

夏の星焦点結ぶもの探す

夏の川めくれる如く平らなり

さあさあと平たく夏の川続く

たこ焼きのその幸せや夏の夕

振り向けば道真直ぐなり夏の夕




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