メールミサイル交換

一斉に烏柄杓を出さないか  

俳句が一瞬でできるときのあの快感。
今まで頭の中で何度も繰り返していた、烏柄杓という言葉と、「一斉に烏柄杓を出さないか」の烏柄杓は、同じものではない気がする。


俳句を題材にした漫画はないのかな?
あったらかなり面白いと思うのに。
キーワードごとにセリフを考えてみた。
結社、
「いつまで一句欄でくすぶってるんだい?」

師匠、
「朕は俳句なり」

弟子、
「し、しかし先生!」

ライバル、
「どちらが新人賞を獲るか、勝負だ!」

内乱、
「あいつはもうお終いさ。相手にしたら君の立場も・・・分かってるね」

他結社との戦い、
「しっ!あれは兜太だ、兜太に違いない」

総合誌デビュー、
「誰なんです?あの新人は!?いきなり五十句なんて!!」

選考会、
「こんなのは俳句じゃありませんわ!!みなさまが21番を推すと言うなら私は選者を降ろさせて頂きます!」

大げさな批評、
「この「を」で彼女は宇宙を取り込んだのだ」

ほら、かなり、すごいのができそう。
ていうか描いてみた。
絵をとりこむ方法を覚えたら公開。

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耳の穴におがくずを詰めないで

内定が出たので楽になった。俳句も力を抜いて自然にいきたいところ。

つまりより素材の良さが重要になってくる。

いい俳人ってのはいい素材が見える人が多い。
あまり眼のよくない尖は言葉を見る。

天文台
あるいは
思はんか
眠らんか
潜水艦
宇宙線
鬼百合

いまのとこ言葉はこれくらい

炎環200608

炎環八月号掲載作品

夏空の圧倒的な消去法

万緑の中や大脳新皮質

麦秋の風一抱へほど腹に

梅雨闇に沿ふ色をして電波塔

夕虹やつま先立ちの地を離れ


前から8ページ目。前々回巻頭、前回二ページ目、そして今回やっぱり下がって来ている。
むしろよく、8ページ目に留まった。


恒例の添削分析。
原句 麦秋の風一抱へほど腹に来る
   麦秋の風一抱へほど腹に

前回の雛菊の句とは一転、定型に従う形に。この句を作ったときに、「ほど」の実感捨てがたく「一抱え腹に来る」と出来なかったのだが、「来る」を削り「ほど」を残す方法もあるとは、素直に勉強になった。しかし、うーん。もともとすごく良い句ってわけじゃないねんな。添削も、「とにかく定型を大事に」のメッセージ以上の意味はないかも。

原句 夕虹やつま先立ちは地を離れ
   夕虹やつま先立ちの地を離れ

説明的でなくなって、句柄がすっきりとした感じ。それが長所。しかし夕虹とつま先立ちが同時には見えなくなったようにも思う。ただ、o音の落ち着いた印象も結構好きだったりする。

田島さんが
五月号の
春泥は今夜動くかもしれぬ

一句選で採ってくれた。

その句に一番近い関係だったから、尖までうれしくなる。

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靴下の中の夢 うすしお

鬼百合は太陽系を量る笛

梔子やどれもきれいなふくらはぎ

胸中の羽噴き出すや虹の夕


鬼百合が全く笛でないことに気づく。連想でつくらないようにしてるけど(ラッパなんて絶対言わない)、連想より深いところでは繋がっていたいのに、笛と鬼百合の完全な断絶。笛に変わる太陽系をそれとなく量れるものを探そうか。

いい俳句のできる瞬間って宇宙の出現に似ている気がする。というか、勝手にそう思っている。思っていたい。句になるまえの全く言葉も無い状態だけど、エネルギーだけはあるような感じとか、出来上がる一瞬に時間の最小単位を感じるときがあるところとか。そんなプランク体験。

宇宙を出す気分で俳句を作れたら気持いい。それだけのことだけど。

もっとも物理学をやってる人から見たら、簡単に重ねやがってってことになるのかもしれないけど、素粒子の研究と俳句の追求って似ている気がする。
どちらも最小のものの向こうに、世界の全てを見ようとしている。

もしかしたら粒じゃなくて紐かもしれないってとこも俳句っぽくて好き。

そして、虚数時間とかの言葉もすごい魅力的。彼等は詩人か!?

なにもかも無理矢理俳句にからめてしまう重度の俳句中毒患者風妄想(風を削らないところに一般人としての一抹の抵抗がありますか?)

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毛穴生活

蛍ほうたるそろそろ線を引かないか

白南風や広口瓶の中洗ふ

雨音に似て体熱の漏れて来し


俳句は現実から逃げられないのか。考えてしまう。
尖にとって、現実の風景、体験のほとんどは句の引鉄にはなるが、句そのものへは直接にはならない。つまり、現実によって引き寄せられた言葉ではあるけれど、それは何度も何度も原型を変えるぐらい自分の中で濾過、添加された言葉である。それで尖の俳句は出来ている。と思う。

ただ、現実を写していても、自分の世界に言葉を潜らせても、
上手い人の句はどちらも素晴らしいし、下手な人の句はどちらも胸焼けがする。じゃあ上手い下手ってなんなのか?

あと、炎環って同人がすごく多い気がする。
同人はみんな上手いのか?

ただ、問題なのは、上手い下手の基準が最低限の技巧的問題以降はほぼ好き嫌いだということ。

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テーブルテクビ

ヒーローの割り切つた貌麒麟草

鬼にされ百合を手折りてゐたりけり

夏の夜のテーブルコショーだけを消す

月光にティッシュの端を使ふかな

本能の十指にあまる春の泥





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粉末プリッツ

あーまた内定でなかった。
なんなんだなんなんだなんdなだ

最終選考のときに「ほぼ内々定だから!(にっこり)」とかいっときやがって!
で、けっきょく落とすんかい!先生、思わせぶりな人事が一番たちわるいと思います。
最終選考で精一杯彼等の手のひらで踊ったもんだから
期限の一週間一杯一杯まで期待して待ってしまったやん!馬鹿みたい!俺の馬鹿!

冷静に考えると、つまり最終選考で受けた性格診断で落とされた模様。
やっぱり俺の馬鹿!

今日、他の会社の説明会、22日また他の会社の二次選考。なんだか重たいものが頭にぶら下がってるみたいだけど、いつも肺の奥が暗くて重いけど、動かないと、動こうと思わないと 
いけない。

とにかく21日のテストもちゃんとクリアしないと
いけない。

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砂糖水をポケットに

タイトルに凝っている。と、思いたい。

とくにここ二三回。

今後やりたいこと。
カテゴリーごとに考えてみた。

私と俳句の、振れ幅
季語とは何か。本当に季語は俳人たちの言うような力があるのか、検証してみたい。
世の中で俳句はどう思われているのか調べてみたい。題して、「俳句はどのくらいかっこいいのか!?」初めからかっこいいこと前提で進めます。問題はちょっとかっこいいのかすっげーかっこいいのか。

俳句
飯島晴子について5回くらい書いてみようかと思う。

炎環
引き続き炎環への掲載作品を。あと、炎環秀句、主宰の句観賞、炎環批判なんかを考えている。

立ち位置
就職活動暗黒日記を。清沢清よりすごいの書いてやる!そろそろ絶望しとけばいいのに。

雑感
雑多なことを思ったまま感じたままに

書評
ようやく国家の品格を購入。武士道や情緒の持つ反論不可能性を追求しようと思う。宗教が科学じゃないのは「神の教え」への反論が不可能だからだと聞いたことがある。それが科学と宗教の違いなんだと。もちろん情緒も科学ではない。
情緒かなんかに国を動かされてたまるか。いったいそれは誰の情緒だよ?そんなでかい情緒にはどんなに抗ったって逆らえないじゃないか。

予定は予告無く変更します。
次回、「蟻ズボン」お楽しみに!


追記

軍曹さんのサイトで紹介されていたので尖も。
http://www.geocities.jp/standing_art/hoheto/kazu.html
あつらえたようにぴったりで、どうしましょう。全国の19841110生れが同じ性格だと思うと鬱になるので、占いなんて全く信じませんが、私の性格は全く以下のことが含まれます。

1984年 11月 10日生まれのあなた

今年の誕生日はまだですね、あと118日 前回の誕生日から247日目です。
生まれてこのかた7917日目です
今日は 元気です!。
嫌な事があるかも。まぁ気にしないで。

年齢21歳は 今までの苦労や不幸を改革できる時期です。趣味や楽しみを通じて生きているという事を感じてみて下さい。
・基本性格
優れた思考能力を持ち、分析、発想、応用能力を持つ(記憶力と決断力は無い)。
情報通で興味のある事は詳しい(決して学校の成績が良い訳ではない)
思考と行動の矛盾を嫌い独特の美意識や哲学を持つ求道者。
・人間関係
クールな一面、社交力は意外とあります。
一見複雑で不可解な性格ですが、実は寂しがりやで甘えたさん。
深層意識からの好奇心からかいろいろな人と出会います。

・生活
ストレスに弱いので、ストレスに注意。
人目はあまり気にしない、そんな格好。
生活感は無い。

・金運
いろいろ調べて比較して賢く買います。
しかしお金は有れば有るだけ使う。
金のかかる趣味は持たない事。

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簡単な刺し方 大げさな騙し方

さて、俳句朝日若手特集の中かから尖の好きな句を選んでみました。


噴水の初めは空に届きけり  砂原サロ 35歳

噴水の湧き上がる瞬間とその後の落ち着き。特に凄いわけではないが目に入れても大丈夫な感じ。ここちいい。


鰻食ふさつき捌くを見てゐしに  立村霜衣 34歳

俳諧味、のようなもの。やれ、恋だ笑顔だ大好きだばかり続くとこういう句がありがたい。老俳人の涼しげな即吟のような感じ。


怒りにも表面張力髪洗ふ  西山ゆりこ 29歳

これ、この句。的確かつ詩的、髪洗ふの季語の若さと水滴のイメージが、怒りを純粋なものに留まらせている。


モダニズム展羅の人妻よ  福永青水 37歳

この句もいい。取り合わせの技術の高い句。モダニズム展と羅の人妻、やや似たもの同士だが、最後の「よ」で句が締ると同時に句に目力が加わった。


鰯雲空には空の漕ぎ手いて  佐藤清美 38歳

ロマンチック。甘いようでいて、やっぱり甘いが、採ってしまった。


男みなカレー勤労感謝の日  宮嶋梓帆 20歳

健康的な男たちを詠んだ健康的な句。ただ男たちの集団性に読者は少し労働(使われる側)の暗さを見てしまう。スパイス程度に。


雪しんしん膣の温さの限りなし  北大路翼 28歳

恐いもん無しなところがいい。ただ素材以外はよくない。雪しんしんが舞台セットのようで、取り繕った縫い目が見えるよう。いや男はそういう生き物だけどさ。


どんぐりを拾った後は考えない  加藤ミチル 38歳

歩いている感じがする。

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もみあげの実、ふっさふさ

大学の近くの本屋は漫画と雑誌がメインの店ばかりで、一向に俳句朝日は見つからなかった。
漫画は尖も大好きで、多分うちの大学の子はみんな大好きやと思うけど、よくもわるくも周囲の本屋、大学の実情に合わせすぎ。俺等のニーズに応えすぎ。もうちょっと文芸書とか学術書とか商品のラインナップを大学の理想に合わせてもいいんちゃう?

結局京都駅近辺のでっかい本屋で購入。なんと俳句αもあったけど、今回は見送り。漫画買わないといけないから。ハチクロ9巻本日発売。

で、若手特集の内容。各結社から三人しか推薦していないのに、ここまでレベルにばらつきがあるとは。
手を抜いたのかどうなのかは知らないが三十代、二十代の作家で若手でなく子供としか呼べない作品が結構多い。
もちろん、上手い句もある。下手な句と上手い句の差が激しい。が、飛び抜けていい句はない。少なくとも今回の720句で歴史に残るような句は多分無い。それは各ページに一句ずつ載る有名俳人の若いころの作品(ほとんど代表句と呼べる代物だ。嫌がらせか?)と比べればよく分かる。

個々の句については明日取り上げていこうと思う。良くない句と普通の句、ちょっといい句は取り上げない。尖が選んだいい句について書く。良くない句はどんな素人でも、有名人でも作ろうと思えばいくらでも作れるもので、それについていちいち文字を重ねることは、今の俺には無意味。
人に俳句を教えるような立場になれば、駄目なところの指摘は大事かもしれないが、そうでもない限りわざわざ人の気分を害してまでするようなことじゃない。もちろん時には闘うけど。そして議論なら俺の歯素っ裸。

俳句触り放題

尖が普段どのようにして俳句を取り入れているか吐き出しているかをちょっと考えてみた。

まず取り入れの方から。

俳句研究、俳句、俳句朝日

これら総合誌は俳句研究は購読、俳句は図書館通い、俳句朝日は立読み。
作品と批評、知識の吸収のため読んでいるんだけど、記事や季語論のどれも大げさすぎて上手く飲み込めない。こんなのが続けば俳句が裸の王様だと言われても仕方が無くなる。もっとも自分の目を騙して信じれば救われるのだろうけど。これについては後日あらためて書こう。

炎環

ご存知(?)、石寒太主宰の結社誌。尖が毎月投句している雑誌で薄いから読みやすい。俳論が少なすぎて知識という点では総合誌に劣るけど、最近の石寒太の句は正直上手い。尖なんか「今月の好きな一句」に主宰の句を選んだ。「好きな一句」を毎月見ているけど、誰も主宰の句を選んでいない。編集部でカットしているのか、主宰の句は下々が選んではいけないという暗黙の了解でもあるのか・・・
どちらかか、どちらもか、あるいはそれ以外の理由だとしても、(多分考えられる理由で一番ありえそうなのは、会員同士の互選の場の維持でしょう。会員がみんな寒太の句を選び出すとすごい退屈やから)でも、誰からも選ばれないっていうのはすごい寂しいでしょう。いい句つくってるから余計。一回主宰の句を出してみてどうなるか、見てみるのも楽しいやん?
主宰に媚びてるわけちゃうで。いい思ったから選んだんやから。

書籍、句集

俳句を始めたばかりのころは藤田湘子の初心者本で学んだ。藤田湘子著の本はほとんど読んだように思う。愚昧論ノートも俳句以前のことも鷹500号記念付録で読んだ。
とにかく図書館にある本を手当たりしだい貪り読んだ。いいね、図書館!
句集は夏石番矢が初句集だった。前衛俳句の強烈な行き当たりばったりのエネルギーに魅力を感じる。花神の湘子、文庫本の六林男、飯島晴子読本が所有の句集、あとプリンターとホッチキスで作った自分の句集「影捨て場」と北海道の俳人の句集(親戚筋で入手、あまり句は良くない)あとは図書館であるもの全部借りている。

ネット
すごく便利。大型俳句検索や各俳人のブログをこっそり見ている。吐き出しの場もほぼネット。
そして忘れてはいけないのがハイクブログ。新しい俳句はここで生れるんじゃないやろか。いつも混沌とした状態。嫌な句もすごく多いが
ものすごい異質俳句界。
変にネットを警戒、敵視する俳人もいるが、彼等なら溜息で地震が起こると本気で信じるだろう。

今一番足りないものは句会!一度も生句会に参加したことがない。京都で他結社歓迎の句会ぐらいあると思うけど、踏ん切りがつかないでいる。

気になる俳句 3

蛍とび疑ひぶかき親の箸   飯島晴子

最近飯島晴子の俳句と考え方が気になる。というより、飯島晴子のやったことを尖はやろうとしているのかもしれない。恐れ多い?
この句、蛍と陰鬱な食卓の風景、底流に同質の波長が感じられるが、そもそもまったく生息地の異なる言葉同士である。晴子の言葉に対する眼のよさに驚かされる。同時に憧れる。

私と俳句の、振れ幅

そろそろ俳論らしいものを書いていこうと思う。
実はこの文章は昨日の日記の下半分の書き直しで、最初は季語と俳句のルールについて書いたんだけど、いろいろ考えて、整理してからまた書こうと思ったのです。
なにしろ何事にもあるのが、順番ってやつなのです。
というわけで、最初っから、はじまりはじまり。うれしはずかし新カテゴリー。

俳句をはじめたきっかけが、公募型のコンクールだった。
だから、今でも私の俳句にたいするスタンスは、「名を成したい」であり、しばらくはそれが大きく変化することはないと思う。
根が目立ちたがり屋なのだ。
別に有名になれるなら俳句じゃなくてもよかった。むしろ俳句じゃない方がよかった。小説や絵、スポーツ各種、俳句よりずっと大きな舞台が用意されている。
でも、尖は俳句を選んだ。
俳句が一番手軽だったからだ。手軽に有名になりたい尖にとって俳句はぴったりだった。十七音で賞と賞金が手に入るなんて。おいしすぎる!
だから、自然が美しいとか、草木虫魚の声を聞くとか、そんなことに全く興味は無く、ただただ自分の脳内を引っ掻き回して、風景を思い出して言葉を切り貼りして、コンクールに応募した。

もちろん、動機なんてどうだっていい、ようは経緯と結果だ。自分がどう変わっていくかということと比べたら、動機なんて素粒子より小さい。超ひも同然だ。ただ、どうしても俳句との付き合い方には影響する。俳句を名を成すための道具として出発した尖は俳句と俳句にまつわる世界を軽く見てしまう。
軽く、というのは少し語弊があって、むしろ違和感というほうがしっくりするかもしれない。俳句のシステムを鵜呑みにできないのだ。
尖は俳句を始めたきっかけの部分の影響で、そうなっているのだが、これは問題意識の高い俳人ならみんなそうだと思う。長々と俳句を始めた理由を書いたのは煎じ詰めれば、私は俳句に問題意識を持っているということをいいたかったからだ?
よかった、オチた。

そんな尖が最初に抵抗を感じたのは当季主義だ。俳句が季節の詩だからだと説明されるが、季節の詩だからこそ不可解な部分が沢山ある。
当季主義とは、ようは春は春の句、夏は夏の句と、その季節を詠むのである。とても自然なことだ。本来なら。しかし俳人たちの季節はズレている。まず第一の問題がそこだ。おおまかに、二・三・四が春、五・六・七が夏・八・九・十が秋、十一・十二・一が冬。太陽暦にむりやり旧暦をあてはめるこのやり方はむちゃくちゃだ。このため、広島忌が夏で長崎忌が秋なんて変な問題が起こるし、ある日を境に前の季節の季語が使えなくなるなんて、どうかしている。季節に境界はないはずだ。
他にも、今が夏であるという理由だけで、何年も蛍を見たことのない尖が蛍を詠んでもよくて、数ヶ月前に見た雪を詠めないというのは、どうなのか。
俳人の多くは季節に敏感で、さまざまな自然の移ろいを封じ込めることができ、尖は単純に何人か尊敬している。虚子教徒は嫌いだが虚子の句は好きだ。
季節に敏感な俳人が、人為的な当季主義の支配下にあるなんて、そしてそれを当然のこととして受け入れているならば、かなりおかしいと思う。
当季主義に「俳人同士のコンセンサス」以上の価値を今の尖は見出せない。

近づきつつ離れ


朝顔やしまひ忘れし貌の人

その位置に水母近づきつつ離れ

幾つかは網戸抜けれぬ風の音

夕立の人の匂ひのやうな列

夏月やまたキャラメルの包み紙

順番に蛍袋を塞ぎけり

扇風機自分いらなくなりにけり

しばらくは私をなぞる蚊遣かな

熱帯夜なり水槽の黒い水


完全乾燥雑巾絞り

もう、全然句ができない。陳腐!なのしかできない。枯渇!したかもしれない。

とにかく気になる言葉から

積載
タクシーの無線途切れ途切れ月
鋏 網戸 
手花火 
キャラメル 包み紙
扇風機 煩き 夜の舌 
疑ふ 正面 夕立
暗黒日記 
約束手形法入門
耳をふさぐなり
撤回 撤退 

キャラメルの包み散らすや夏の夕

炎環200609

炎環九月号掲載予定

たこ焼きのその幸せや夏の夕

書庫といふ草いきれにも似たるもの

人類や西日に立てる壁の罅

炎昼の古紙回収車ありにけり

月涼しまたライターの火をひとつ


7月13日
修正

書庫といふ草いきれにも似たるもの

しばらくは私をなぞる蚊遣かな

扇風機自分いらなくなりにけり

熱帯夜なり水槽の黒い水

夕立の人の匂ひのやうな列


 

炎環200607号


炎環七月号掲載作品

海へ来てああ春月へ手が伸びる

爆弾の名に雛菊と付けしは誰

陽炎や君を待てども暮らせども

夏近し一枝の川面への重み

手品師の笑み零れ来る五月かな


先月号からの好調を維持して第五席キープ。二句目、原型は
爆弾の名に雛菊を付けし誰
からの添削。
二句目と五句目は自分でも納得のできだけど、その他がちょっと下手すぎる。
今後、発表の機会が増えていったときにどうやって質を維持するか。

多作とか俳句のネタとか

月涼し漸近線を引いて消す
あぢさゐや体内ほどの夜にゐし
夕焼の電線黒を垂らしけり
炎昼に古紙回収車ありにけり
ガラスみな任意のかたちソーダ水
音楽を写し夕焼ガラス板
人の指人の優しい傷夕立
夕立の去りし門なり開きをり
人類や西日に立てる壁の皹
手花火に言葉持ち寄り笑ふかな
手花火や地熱に応へたくあるも
夕暮の電線黒を滴らす

続く

なぜ俳句を作るのか?なんでだろう作り続けないとはがされてしまう強迫観念。

炎環巻頭作家作品

ようやく巻頭作品ができた。送るまでの間に若干の手直しはするだろうけどほぼこれで決まり。品質は上の下くらいだと思う。ただテーマに沿うことに挑戦してみて、少し青春詠テイスト。高齢化した結社には受けるだろうなどと打算。しかし炎環ってそこまで平均年齢高くないねんな。

梅雨入りと視力検査の片目かな

夏雲やちぎつて使ふガムテープ

ゆるく抱く香水の香の君知れば

逢ひたきときは夕焼の砂の粒

妹の日傘の影が手に触れぬ

夏蝶といふ遥かなる立眩み

口々に蛍袋を塞ぎけり


あと四百字エッセイ
これがまったく手付かずの状態。