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飽作比推力

自分の俳句に飽きてきたというか、ちょっと次の段階に進めないでいる状態。

去年の夏から秋にかけては、詩っぽさを出した作品で乗り切った。
例えば、


夏蝶といふ遥かなる立眩み
口々に蛍袋を塞ぎけり
本当に薄羽蜉蝣なのですか
愛すれば月光を振りほどき合ふ

などがそうだ。
もちろん、これらは自分の特徴であるし、感覚と言葉を上手く重ねられた気もするのでそれなりに満足している。俳句年鑑で橋本榮冶さんが評価してくれた「豊かな発想」で成立している句群である。
しかし、
秋の日の木片として影なせり
夏雲やちぎつて使ふガムテープ
梅雨入りと視力検査の片目かな
扇風機自分いらなくなりにけり

これらの句が冬を前に、次の方針の足場に思えてきた。
「豊かな発想」と詩ぶりを全面に出すのではなく、下地として使う。感性だけでできない句を作ろうと考えた。
冬になり、もう、これがすっごい難しいねん。

駅に立ち冬暁の京都なり
バス停に下嵯峨とあり寒の内

などに一応の成果があるにはあるねんけど、地名に頼ってる面が大きすぎる。
なら、一旦戻ればいいやん、と思ったねんけど、前の方法に飽きてしまったのか、感性系の新作には満足できなくなってしまった。

初夢に雲梯進む大泥棒

とか好きなんやけど、物足りない。

退路がないなら進むしかないわけで。留まりたいところやけど、ここには何もない。

冬は写生からのアプローチを試みるつもりです。
「感性を下地に」と掲げての写生なんて、安易すぎるけど、大学卒業までの時間を何に使うか考えると、それが一番いいような気がする。


橋本榮冶さんからのアドバイスに、虚と実を考えて作句すると切口が冴えるはずとあった。
若手としてちやほやしてもらえるうちに、どれだけ吸収できるか。
どれだけ、いろいろ試せるか。とにかく、

自分の句に飽きがきて良かった。


明日は服を買いに行こう。



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