開封後はお早めに ドロップドロップス
2006年炎環賞応募作
暗躍製菓ドロップス 西川火尖
花影や指人形をいつ捨てる
春闇の奥は南京錠落つる
朝顔や膝折るやうに忘れたし
雷漏れる巻爪の指だけを出し
着信や向きばらばらにあめんばう
鷹ならば我が振れ幅に即答す
大好きな春野へ自由落下かな
梨咲いて君を抱きしめたいだけさ
春風や窓にハートの銀細工
夏雲や端から端へ好きな歌
窓のものみんな小さく見えて秋
登れ登れ月下の螺旋階段を
鬼百合や太陽系を欲すれば
無花果に纏はる鋭角的笑ひ
蜻蛉のゆんゆと空を離れけり
朝顔や膿みゐし指のゆたかなり
春夕ひそと持ちたるたけとんぼ
飴玉は冬日の祖父に貰ひけり
雪降るや優しきひとの唄愛し
オーバーを着る間の君を待ちにけり
一応最新更新版のはずやけど、応募前に手直しして保存せずに印刷したかもしれんから実際の応募作品とはすこし違うかもしれん。
8人中5人の選考委員からの点を得た(最多得点ですよ!ねぇ!)けど佳作にもひっかからなかった作品です。そこが一番気に入ってるところやけど、まさか満足なんてしてへん。
今年こそ炎環賞獲る。中核になる作品も出来た。
選考委員の一人山田庫夫さんがドロップスについて話してくれた。
「上手い!と思ったが、よく見たら青春俳句に毛が生えた程度で内容がほとんどない」
だったはず。違ってたかな。酒が回ってたから気持ちよかった。
炎環賞は上手ければもらえる段階を過ぎて、炎環の代表作家の一人として認められるかどうかが受賞の観点に加わったと言ってはった。
炎環の実力俳人が今年の受賞者だろうと言ったはった。
朝比古さんが俳句研究賞獲って次の標的に炎環賞狙うかもしれん。
田島さんが、司会のマイク握るようにあっさり掴んじゃうかもしれん。
由季さんの俳句は恐い。完全な俳句の形をしているところが。中に何入ってんねん思う。
佳世乃文体縦横無尽の佳世乃さんは炎環の中だけに留まる大きさじゃない。
寛也さんには負けたくない。
あっこれ、名前出していけばきりがない。
テーマ:俳句│ジャンル:小説・文学
炎環
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│2007/01/21(日)18:33