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恋愛小説の恋人はいつだって病気

 ひさしぶりにメールを待っていた夜だった。
なんというか恋愛的な感情を持つのは実に一年ぶりくらいで、実はいまもメールを待っている。しかし、俺の人生における待つという行為は来ないという結果しか生まないことを経験則で分かっているので、今は携帯を部屋に残し、居間で文章を綴っている次第である。
思えば高校二年の夏に五時間待ったあげく、結局現れなかった彼女や、一年付き合って、「ごめん、実は好きじゃなかったねん」といって去っていったあの子のことなんか、思い出すまでもなく、待つという受動的行為の果てにあるものなんか、たかがしれているのである。待つ男はいつだって傷だらけなのだ。
かといって、「ならば会いに行く!」ほどの根性も確信もなく、こうやってだらだらパソコンに向かうあたり、誰か悲しくて泣き出すんじゃないかって思うけど、世知辛い世の中だ。泣きたい人は俺の見ないドラマでも見るさ。私は泣きたくないから見ない。泣かないけどね、見ても。
まぁでも、少なくとも、恋人がすぐ事故に遭う携帯小説なんかより俺の携帯の方がずっと「セツナイ」という状態だと思うのだが、どうだろう。セツナイとは中高生向け邦楽で歌手が繰り返す単語だが、多用しすぎてまったくもって薄っぺらいものとなってしまったように思う。まったく、切ない。
 「もう、待つことも待たすことも苦にならなくなった」とは数日前十分ほど待たせていた友人に放った弁明の言葉であるが、やはり待つ方が、少し苦く思う。
 返信がなかなか来ないときなんかは、送信した文を見直して、うーん、不味かったかなぁなどと思うのだが、もう遅い。普段メールは限界まで短くする俺が、長文を書くと相当軽薄な印象になる。そんなこと分かっていたはずなのに、まったくもってどうしようもないメールを送ってしまうのだから、つくづくどうしようもない。
相手を好きになるほど自分を嫌いになってしまうのだから、ほんと、どうしようもない。

よし、携帯にメールが来てないか見てきます。


その後、メールはしっかり来て、ちゃっかり会いにいっちゃったりして、ホワイトデーのお返しなんか置いてって、俳句研究四月号に朝比古さんの大写しなんだから。
会いに行くといって元バイト先に顔を出すだけなので気楽なもんである。

バイト先の社員さんに貸してもらってた椎名誠の「本の雑誌血風録」を返そうと思っていたが、面白い本なので、返すのが嫌になり、今日譲ってもらった。

世の中にはね、いいことしかないねん、最近。

卒業の傘ひらかれてゆきにけり  火尖

明日、卒業します。



コメント

ご卒業

おめでとうございます。(*^-^*)v

あらら〜、桃色の恋心♪ってヤツですね〜。^^
そして卒業おめでとうございます。
荒削りだけど、こんなのを一句連想してしまいましたよ。(笑)

着メロや 開花の如き わが鼓動

ありがとうございます。ついに四月からは社会人編をお送りします笑

ありがとうございます。携帯を開くときのね、ニュアンスがよいです。

さて、できたらこれは悲しい思い出になってほしくないなぁ

もーちょっとカッコいい表現が出来そうなんですが、思いつきませんね、今のところ。着メロ、の単語が浮いちゃってるような気がしなくもない…(うむ…;)

まあまあ、恋愛できるのは若いうちの特権っすよ。^^
思う存分青春してください。
俺は歳が歳だから色々考えるとうかつに恋愛できんのですよね…。

この浮ついた感じはかえって魅力やと思います。難があるとすれば、ちょっと分かり易すぎるかなというところかもしれませんが。

結婚・・・かぁ

なるほど…。参考になりました。ありがとうございます。^^中七と下5をちょっといじってみますねぇ。…って、人のふんどしで相撲とるなってか。^^;

へへへ、又貸しになりますよ笑

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