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高校生の俳句

一二周遅れくらいで最新の話題をお届けする振れ幅の尖です。こんにちは。

ちょっと前の週刊俳句に高校生の俳句作品がたくさんのっていたので、少し紹介します。既にあちこちのブログで注目されています。

まず
福田若之 海鳴

合鍵は銀河に浮いてゐるらしい

作者、高校二年生。上手いですね。合鍵と銀河の響きあいもそうですが、「浮いてゐるらしい」とボケたところなんて非常に俳句的にソフィスティケートされた印象。他に
鰯雲ナッツは放り投げて食ふ
鰯雲とナッツの取合せも、守備の間をきれいに抜けたヒットのようで、こやつヒット職人か?と思ってしまう。それでいて瑞々しさを少しも損ねていないのだから本当に大したものです。ある程度計算して俳句をつくれているんじゃないかな。


加藤光彦 鳥の切手

鍵閉めて色の深まる秋灯

高校一年生。秋灯の質感と一日を終えた安堵が読み手にも沁みてくる。いい句だと思う。句中の因果関係も作者の感性によるものなので気にならない。他に
三日月や鍍金の剥げしハーモニカ
上質な部分だけを掬いあげ俳句化する力がすごいと思う。三日月、メッキ、ハーモニカとイメージが揃いすぎる感じがしないわけではないが、澄んだ世界の醸成に成功していると思う。


三村凌霄 艦橋

葡萄剪るゆらめく重みありにけり

高校一年生。よく若手俳人を「上手いが際立った個性がない」と評する向きもあるが、この作者は俳句形式と喧嘩することなく「ゆらめく重み」の把握を得るのだから凡百のものではないだろう。それは他の作者も同じであるが。
割引券ばかりの財布豊の秋
諧謔味もある。諧謔というと歳を重ねて得るものと思われがちだが、それは勘違いで、俳句の初期のころから付き合っていくものだと思う。単に諧謔は歳をとっても衰えにくいのだろう。


小野あらら カレーの膜

種なしの葡萄の小さき種を噛む

高校一年生。よくできてるなぁ。種なし葡萄の種というある種の発見を非常に静かに処理していて心地よい。「種なしの葡萄の種や」とかやってしまうとダメなんですよ。意図がある感じになって台無しになる。
秋の暮カレーに膜の張りにけり
秋の暮ってのがまた何にでも合うんですけど、カレーの膜で成功していると思う。


越智友亮 たましひ

八月の蛇口をひねる水がでる

91年生まれ。高校二年生か三年生。前述の四人とは句の雰囲気を異にする。「八月の」とつけたところをどう読むかはよくわからないが、簡単なようでいて実に多感な句だと思う。次のような句もある。
林檎にへた地球に地軸かつ引力
のたうった印象をうけるがむしろ俳句らしく感じる。おそらく相当数の句を作り、俳句二周目といったところか。作者、一周目で「第三回 鬼貫青春俳句大賞」を受賞しており、口語を駆使した発想の柔らかい破綻のない句を作っていた。そこから少し抜けた感じがする。

とまぁ
若手俳人大豊作といったところでしょうか。

なんというか一言でまとめると、裏ワザ的に上手い。いや、裏ワザ的に上手く見える。

こんな年端もいかぬ小僧っこどもが、なぜこれほどまで俳句を自由自在に使えるのだっ・・・・
と若武者に翻弄される老武将風に悔しがるもよし
まだまだ俳句の深さには到達してない
と強がるもよし、

ただまぁ尖が言えることは
多分、
たくさん句を作って読んで、入門書から評論、高度な俳論まで広く目を通したんだろう。おそらく俳句をやる上で大事なものを見落としているということはないと思う。
若い時期の呑み込みの早さは尋常ではない。好きなものならなおさらだ。

大家とよばれる俳人の多くは十代二十代で俳句に手を染めている。

恐ろしく強固な土台が短期間で出来上がるのが、まさしく十代二十代なのだろう。



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テーマ:俳句│ジャンル:小説・文学
俳句の振れ幅 | コメント(0) | トラックバック(0)2008/10/21(火)20:06

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kasen

Author:kasen
1984 11 生まれる。
2005 03 俳句を始める。
2006 01 炎環入会

好きな食べ物・ラーメン
好きな建物・図書館
好きなのは言葉。

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