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簡単な刺し方 大げさな騙し方

さて、俳句朝日若手特集の中かから尖の好きな句を選んでみました。


噴水の初めは空に届きけり  砂原サロ 35歳

噴水の湧き上がる瞬間とその後の落ち着き。特に凄いわけではないが目に入れても大丈夫な感じ。ここちいい。


鰻食ふさつき捌くを見てゐしに  立村霜衣 34歳

俳諧味、のようなもの。やれ、恋だ笑顔だ大好きだばかり続くとこういう句がありがたい。老俳人の涼しげな即吟のような感じ。


怒りにも表面張力髪洗ふ  西山ゆりこ 29歳

これ、この句。的確かつ詩的、髪洗ふの季語の若さと水滴のイメージが、怒りを純粋なものに留まらせている。


モダニズム展羅の人妻よ  福永青水 37歳

この句もいい。取り合わせの技術の高い句。モダニズム展と羅の人妻、やや似たもの同士だが、最後の「よ」で句が締ると同時に句に目力が加わった。


鰯雲空には空の漕ぎ手いて  佐藤清美 38歳

ロマンチック。甘いようでいて、やっぱり甘いが、採ってしまった。


男みなカレー勤労感謝の日  宮嶋梓帆 20歳

健康的な男たちを詠んだ健康的な句。ただ男たちの集団性に読者は少し労働(使われる側)の暗さを見てしまう。スパイス程度に。


雪しんしん膣の温さの限りなし  北大路翼 28歳

恐いもん無しなところがいい。ただ素材以外はよくない。雪しんしんが舞台セットのようで、取り繕った縫い目が見えるよう。いや男はそういう生き物だけどさ。


どんぐりを拾った後は考えない  加藤ミチル 38歳

歩いている感じがする。

テーマ : 俳句 - ジャンル : 小説・文学

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