見返り
予定を変更して、群青の話題ばかりになってしまうが、群青2月号について。
これは本をもらったのではなく、友達(群青ではない)に少しだけ読ませてもらったのだが、櫂未知子の発言についてすごく残念に思った箇所があるので、書くことにする。
雑誌や俳句の業界団体それぞれに主義主張があるのだから、そのやり方が気に食わなければ出て行ってくれというところまでは分かる。だから群青2月号の作品評の冒頭で櫂未知子が「どうしても無季の作品を出したいというなら、俳人協会を退会されたい」と書いていてもそこまでなら、うへーとは思うけど、他所様の組織事情に首を突っ込む気などさらさらなかったのだ。しかし、「ただし、その場合は、(俳人協会の)入会金や年会費を全て返却して頂きたい」と続く文を読んでしまって、無視することのできない気持ちになったのである。群青は俳人協会の年会費などを肩代わりしてくれていたのだが、無季を読むならこれまでかかった費用を耳を揃えて返せというのだ。まじかよ。やばい。
そして、指導者の立場でこういうやり口を悪びれもせず最後に「わかってほしいのよね」と軽くまとめていることに、はっきりと残念な気持ちになってしまった。例えこれまで「学生・院生の費用を「群青」が負担してきたからだ」としても、こういう請求の仕方は殆ど脅しではないか。「よき句」を求めて無季に立ち入った会員に対して、これまでの費用の返金を求める態度というのは、余りにも文芸、芸術離れしており、はっきりと嫌がらせの域の対応だと思う。仮に事前に会則などに返金の旨書かれていたとしても、人の気持ちは当然変わるものだし、有季での経験が無季への興味につながることもあり得るし、そこから有季を見つめ直すくらい俳句は深いものだ。それを金をちらつかせて縛るやり方にどれほどの意義があるのか。そんなこと言い出すくらいなら初めから肩代わりなどするべきではないし、肩代わりするなら返金を求めるべきではない。
なにより、俳人協会賞も受賞し、現在もこれからも有季俳句を担うと目されている櫂未知子の、無季俳句作者への呼びかけが、有季の優れた句や優位性や素晴らしさを説くのではなく、議論するのでもなく、「無季をやるなら金返せ」では、あまりにも有季俳句が可哀想だと思うし、有季の良さを信じられてないのではないかとすら思う。
見返りが得られななかった場合、違約金を課すというのが果たして詩に関わる者のとるべき態度なのか、櫂未知子がいくら実績があって、指導力に長けていても、この基本中の基本の部分でそういうやり方をとるならば、その点に関してははっきりと間違っていると言わなければならい。言う。下町ボブスレーかよって言う。
正しい、間違ってるの判断は大変で、それを言うことで、立場と責任が生まれる。判断を避けて収められるなら私だってそうしたい。それでもこの件に関しては、櫂未知子の発言は間違ってると言うことを避けるべきではないし、有季定型句を作る私はとても残念に思う。
群青は作品評論ともに優れた若手が切磋琢磨する場だと思っていた。この件で去らざるを得なくなったひとのことをとても心配している。
テーマ:俳句│ジャンル:小説・文学
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│2018/02/10(土)21:51
結社
昨日取り上げた萌にせよ、うちもそうだけど、結社、結社的同人誌は結局主宰、指導者の影響がすごく大きい。それは、そういうものだからといえばそうだけど、仮に個々の事例を見ていったときにそこに批判すべき点があった場合、結社自身、いやぼかすのはよくないな、結社の構成員にそこを批判するような行動をとる者はあまりにも少ない。
例えば炎環の新年会で、サプライズ的に主宰に感謝し讃える時間が設けられたのも、主宰には確かに感謝してるし、30周年だから讃えられるべきものなのだけどそこに何か歯切れの悪い私自身が存在したのも事実だ。
こないだ群青12月号を取り上げたばかりだが、最近群青2月号の一部を読んでしまって、そして、詳しい関連はわからないが、青本姉妹の群青脱会を目にしてしまったら、たとえ歯切れが悪かろうとも、予定を変更して、次回はそのことについて少し触れる。私は部外者だけど同じように結社組織内の人間だし、有季定型の立場としてもいいたいことはある。
星の白地図
昼休みの読書
引き続き群青12月号から
カッターを繰りだす音や天高し 泉山友郁
カチカチカチというあの音、天高しに吸い込まれそうな感じ、悪くない。
葛まるでマスターフゴの息遣ひ 大塚凱
ボビナムもマスターフゴもこの句で初めて知った。この句は葛のわらわらした感じが至近距離での息遣ひを思わせるところがあって、動の前の静を感じる。ボビナム、よくわからんけど。
http://vovinam.jp/about
今年米湯気を押出す湯気が湧く 小野あらた
肉刺しに刺さらぬコーン秋惜しむ
今度週俳で少し触れるけど、執拗に有季俳句の快の部分を刺激しつづける句だよ。
蕎麦を食ふ人と見まがふ案山子かな 北和田操
ちょっと笑ってしまった。どんなんやねん。それなのに何か案山子らしさを感じる。
テーマ:俳句│ジャンル:小説・文学
俳句の振れ幅
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│2018/02/08(木)12:05
群青12月号
色々なところで本を買ったり貰ったりする。
今までは中々読みきれないから書けないなと思ってたんだけど、これからは、書くということを主眼に置きたいと思っている。
書きながら読むし、書きながら調べる。書くことを読むことより一歩先において読んでいきたい。あまり自然な方法ではないが、今はそれでいいと思う。せっかく頂いた句集や本に何も言わないのではもったいなさすぎるし、書くという目的があったほうが吸収率が上がると思う。
12月中に書かなければならなかった
俳句について何か話すことを最近すごく難しく感じていて、例えば、自分が初学時代に読んだ本の多くが俳句の眼目について平易な言葉で語っていて、そのおかげで自分もそういった本の真似は辛うじてできるようになったんだけど、わかりやすく話そうとすればするほど、地球を平面の地図で説明するような無理を感じてしまう。
もちろん、何を今さらという類の話だし、そういった難しさを乗り越えたような優れた鑑賞や評論が実際に存在する以上、結局、私の力不足の一言で済ます他ない話なのだ。しかし、困ったことに、今までできていた、俳句を言葉で薄めて引き延ばしたような解説を書くことに今は興味がわかず、かといって「地球儀」的な鑑賞をするだけの力はない。
題からも分かる通り、予定の期限を遅れに遅れている。時間に遅れるというのは能力だけでなくやる気も誠意も情熱も何もかもないというわけなのだが、では辞めてしまえと言われると、それだけはちょっと勘弁してくださいって思ってしまう。非常に格好のつかないことだ。
この文章は、その12月中に書かなければならないことの前書きにもってきたのだが、さすがに冷静になってやめた。
もちろん昨年締め切りのあるご依頼は泣く泣く断念する旨のツイートをしていたので、このお話しも一応延長可というものではある、だからといって今2月ってそれはいくら何でも駄目だと思う。
ただ、嘆いていても地球儀的なものが書けるわけではなく、とにかく今は納得できないものしか書けなくても書き癖をつけていくことの方がよっぽど書きたいものににじり寄れる。
俳句は開発中のものです
被害妄想
自己弁護
Author:kasen
1984 11 生まれる。
2005 03 俳句を始める。
2006 01 炎環入会
好きな食べ物・ラーメン
好きな建物・図書館
好きなのは言葉。
火尖箱(お知らせ)
12月
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